葛飾区児童相談所を視察 区内できめ細やかに見守る

いつもありがとうございます 中央区議会議員の高橋まきこ です。

親子・子育て応援ラボ にて、葛飾区の児童相談所を視察させていただきました。開設から1年も経過していないところ、丁寧なご説明をありがとうございました。

【葛飾区児相の設置まで】
H28年の児童福祉法の改正を受け、特別区の児相設置が可能となりました。葛飾区では、R2年に葛飾区児童相談所基本構想と基本計画を策定して、設置へと向かいました。R4年には、子ども総合センターの運営計画が策定され、児相と両輪で支援をしていくことが示されました。そして昨年となる、R5年の10月に、葛飾区児童相談所が開設されました。※子ども総合センター:福祉(子ども家庭支援センター)と保健所の連携支援

【課題は人材の採用と育成】
どの児相も同様ですが、葛飾区でも人材の採用と育成が大きな課題となりました。長期的に継続的に人事部門と共有をして採用を続けるとか、都内に留まらず、他県の施設にも研修派遣をするなど、職員の経験値を高める工夫も続けてきたとのことです。若い職員が多いため、本人がキャリアプランを描けるようにすることも大切とのことです。

※支援者支援コーディネーター
育成したスタッフの心が折れないように支援することも重要として、第三者的に相談ができるコーディネーターを配置しています。

【区児相を設置して良かったこと】
開設から1年も経過していませんが、既に良くなっていると実感できることについてお聞かせいただきました。

1)区内の連携強化
子ども総合センターや保育所、学校などの関係施設と情報や対応の共有がスムーズだと言います。職員同士も顔が見える関係性や、経験したことのある職場など、近い関係性だからこそできる、きめ細やかな対応が魅力だと感じました。特に児相に関わる子どもたちは、通学の困難や不登校傾向など、
学校との連携が求められることも多いそうです。福祉と教育の連携のためには、区だからこそできることが、より多くあるとお聞きしました。また、場所は立石にあり、区の中心に位置していて、区役所や警察署とも近く、連携しやすいと感じるそうです。

2)里親が増える傾向
児相の仕事をより身近に知ってもらったり、伝える機会が増えることにより、里親の意義や必要性を共有できることで、里親が増える傾向にあるそうです。国や都が里親を増やす目標を示す中、これはとても大切な点だと思います。

これからはこの「良さ」を地域と共に共有していくことで、その良い連携を広く展開していく方向性もお聞かせいただきました。地域に役割と意義を知ってもらうことも大切だということです。

【子どもの意見表明「わたしの気持ちシート」】
R4年に改正された児童福祉法において、意見表明等支援事業が法定化され、R6年から努力義務となっています。
・社会的養護に関わる子どもの意見聴取等措置義務
・意見表明等支援事業
これを受け、葛飾区児相でも「わたしの気持ちシート」や意見箱を通じて聴取の機会を大切にしているとのことです。

【区児相は8箇所】
葛飾区の児相が23区では一番新しく、8番目の開設となりました。これまでは東京都児相である、足立児相が葛飾区と足立区との2区を担当していました。結果として、足立児相は足立区だけを担当するように変わりました。

区児相:世田谷区、江戸川区、荒川区、港区、中野区、板橋区、豊島区、葛飾区、品川区(R6予定)
都児相:新宿区、北区、品川区、杉並区、江東区、足立区にあります。

<中央区のこれからを考える>
中央区は児相設置予定は未定と説明しています。台東区のサテライトをシェアしている関係性ですが、利用実態は乏しい状況が続いているようです。児相は人口50万人に対して1施設が望ましいとされているため、中央区の17万人の人口規模では、今後も広域連携となると思われます。一方で荒川区のように、人口がそれに満たなくても、区児相を設置して取り組んでいる自治体もあります。

区児相を設置したことで改善されている点は、未設置の自治体でもその良さに向かう取り組みを諦めてはならないと思っています。

具体的には、区内で愛の手帳が受け取れる(検査や判定を受けることができる)、学校と対応を細やかにできる、児相と関わる前の家庭の状況がすぐに共有できる、などといったことを、区児相がなくても、できるようにする必要があるということです。

そのために、中央区は何に取り組むのか。これからも区議会を通じて求めていきます。

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