いつもありがとうございます 中央区議会議員の高橋まきこ です。
中央会館、銀座ブロッサムにて毎年開催されている 子どもの虐待死を悼み命を讃える市民集会(オレンジリボン運動)に参加しました。1部では、虐待死した子どもたちの読み上げ、黙とう、鎮魂の演奏が行われました。淡々と読み進められるのですが、なんとも、じんわり、多くの感情が浮かんでは消えていくように感じます。今年は2部で、熊本にある慈恵病院の蓮田先生から「赤ちゃんポストと内密出産を通じて見えてきた不都合な真実」という講演がありました。
【児童虐待と虐待死】
児童虐待は4種類に分類されています。(児童虐待の防止に関する法律)
身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待
最も多いのが心理的虐待で、全体のおよそ60%を占めています。虐待通報のおよそ半数は、警察通報によるもので、次いで近隣知人からの通報と続きます。虐待死の人数はほぼ横ばいで、0歳0か月の死亡が死亡全体のおよそ半数近くとなっており、3歳未満児が70%を占めています。子どもと共に死亡する心中も減少したものの、なくなりません。妊娠中から3歳児までを育てる母や家庭を支援することの必要性がわかります。
【赤ちゃんポストと内密出産】
熊本の慈恵病院には赤ちゃんポストがあり、全国から、思い悩んだ母や父、或いは近しい人が訪れています。
なんで子どもを産んで捨てるのか
母親が間違っている
こうした思い込みや非難は少なくないと思います。しかし、その事例一つひとつからは、その母や父が抱えてきた、生きずらさや生きることへの困難に直面します。先生によると、母と父が揃っているから育てられる、ではないとのことです。「愛着障害」が保護者本人の中に存在することが100%と言ってもいいくらいとのことでした。それはその保護者の親からの過干渉によるものだと言います。虐待トラウマがあり、負の連鎖を生んでいます。
その赤ちゃんへの虐待は、なんとも要領が悪く、バレるのだそうです。それは母親自身が知的障害による境界知能であり、とにかく自分の親に隠したいという気持ちなのだと言います。
それ以外に考えられない、育てられない状況に対して、一緒に考える人が必要なのです。
【墨田区に赤ちゃんポスト】
墨田区にある賛育会病院によりますと「赤ちゃんのいのちを守るプロジェクト」として「妊娠SOS相談」「内密出産」「赤ちゃんポストの設置」を、本年度2024年度に開始する予定とのことです。ここでは「誰かの問題」ではなく、共に生きる社会のための「私たちの問題」使命です、と結ばれています。まだ具体的な時期は明らかにされていませんが、調整が続いているとのことです。
東京に赤ちゃんポストが開設されたら、どうなるのか
未知なる数へのチャレンジであることは言うまでもありません。東京への集中に対して、いかに東京が負担すべきなのか、ここは議論が困難であることが想定されます。実際に
・区で戸籍を出す
・区長が名前をつける
・都の管轄である、乳児院に預ける
といった、すぐに必要になる、区や都の対応も、一つひとつが大きいなハードルです。誰が、いつ、何を負担しながら、命を守るのかという問題が重くのしかかります。
<命を守りたい>
孤立出産、内密出産、心中と、蓮田先生が直面している事例を語っていただく貴重な時間でした。赤ちゃんポストに向かう母たちは、新しい命に喜びと幸福のきっかけを感じているのです。しかし、虐待やいじめなどで、大きく傷ついている自分自身が「愛されたかった」まま、母になってしまいそう、なのです。その喜びと不安と葛藤と、自分の中の枯渇したわずかな愛情と、深く混乱しているのだと思います。
私は日本子ども虐待防止学会で学びながら、自分ひとりや、区と都で何ができるのか、考えることを続けていますが、一直線なる解決はありません。一人ひとりの命を社会で支えながら、件数を減らしていく積み重ねしかないのだと思っています。今年の学会でも、この点の理解を深めます。
このような貴重な機会が、毎年、中央区役所前で開催されているので、中央区に住み、関わるみなさまにもぜひ参加いただけたらと思います。
中央区民のみなさまは 高橋まきこLINEオフィシャルアカウント から、直接感想をメッセージでお届けください。高橋まきこへのお問い合わせフォームや各種SNSのメッセージからも承っています。
★★★★★★★
中央区「区長への手紙」へ伝えて直接返答を求めることができます。高橋まきこはホームページ公開後に全て拝見しています。共感したものを議会でも取り上げています。
★高橋まきこの活動がわかる政策レポート集は コチラ
★高橋まきこ中央区議会一般質問ダイジェストは コチラ