自閉症・情緒障がい特別支援学級を要望しています

いつもありがとうございます 中央区議会議員の高橋まきこ です。

2月の中央区議会、一般質問にて「自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置」を再び求めました。以前から求めてきましたが、昨年10月に中央区教育委員会が「知的な遅れがないのに取り出しの必要がない」と私の質問に対して答弁をしたことに驚き、今回、一般質問で取り上げることにしました。

★高橋まきこ 一般質問のアーカイブはこちらから 視聴できます

【質問2点とその答え】
Q1)自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置要望が続いていますため、まずは対象児童生徒数と家庭の利用意向の調査を始めていただけないでしょうか

中央区教育委員会:
総合的に判断すべきものであり、家庭の利用意向だけで決定するものではないため、調査は考えていない。

Q2)自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置を求めますが、区の方向性と課題があるとすれば何かを具体的にお示しください

中央区教育委員会:
自閉症・情緒障がい特別支援学級では自立活動の指導が行われる。知的に遅れがない児童・生徒の進学を考えた時に、各教科の指導時間の確保も必要。各教科と自立活動のバランスは十分に検討を重ねた上で、設置について判断する。

【現在の中央区の対応】
自閉症・情緒障がいがあるお子さまに対して、中央区は「特別支援教室」の対応に留まります。

文科省は自閉症・情緒障害特別支援学級としての教育対応も説明しています。一斉指示を理解することに困難があったり、周囲の環境に対してストレスを感じてしまう子どもたちに対して障害の状態等に応じた適切な指導を行うとされています。現在の中央区が対応している支援教室は「通常の学級で学習におおむね参加できる」児童生徒を対象としており、対象が異なります。つまり、特別支援学級の対象と示されている「他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である程度のものや、社会生活への適応が困難である程度のもの」には対応できていないことが問題です。


実際に区内の保護者からは「子どもの特性にあった対応をしてもらえず、結果として不登校を受け入れるしかない。教育相談では他区の情緒学級の取り組みを紹介された。他区へ転居するしか方法はないのでしょうか」という苦しいご相談が続いています。中央区が説明した同じ学びができる認識も、インクルーシブの考えも、登校できないと実現はしません。


都内では江東区、文京区など多くの自治体で導入や検討が進んでいます。令和6年度から小平市が情緒等特別支援学級を開設します。小平市では音や刺激に配慮し、温かみのある風合いにするなどの施設面の環境整備も特性に対応し、この春の受け入れの準備が整ったそうです。墨田区でも令和7年度の設置に向けて準備が進んでいます。墨田区は、多くの保護者からの相談が続き、決断に至ったとお聞きしています。これは現在の中央区も同じ状況で、私も多くのご相談を受け、保護者と共に中央区教育センターに相談を続けてきました。


全国調査を実施した「多様な学びプロジェクト」によると、不登校児童生徒の拡大の理由のひとつに特性のあるお子さまの増大もあるとのことです。あるフリースクールでは、子どもたちの4割が愛の手帳を持っているとのことです。文部科学省は教育確保法において「すべての子供たちが安心して学校生活を送れるよう」に求めています。

【子どもや保護者の声を聴いてほしい】
中央区教育委員会が説明する「総合的な判断」には同意しますが、この障がいと共にある子どもたちは、今の学校生活をどのように感じながら過ごしているのでしょうか。そして、保護者の困りごとに、十分に耳を傾けているのでしょうか。

昨年の決算委員会にて私の質問に対して「自閉症・情緒障がい特別支援学級の対象となる児童生徒数の把握はしていない」と答弁しましたが、まずは、その声があることを認識し、それだけで判断しなくても、お話を聞いてほしいと願います。

「では他区に引っ越すしかないですね、涙」という保護者の声が、なくなる日まで。

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