公園で子どもは転ばない方がいい?リスクアセス

遊び環境のリスクアセスメントを考える

子どもの事故予防地方議員連盟 の総会に際して、株式会社アネビーの技師であり、国際的な有資格者である広永先生を講師にお招きして、遊具と遊び場の規格(EN1176)について詳しく説明いただきました。

 

子どもは転ばない方がいいのでしょうか?

 

2022年6月の中央区議会の一般質問にて、インクルーシブ公園の要望を取り上げたところ、多くの反響をいただきましたが、その導入に課題もあり、興味深く思っていたことのひとつです。

 

【リスクとベネフィット】
公園の遊具を考える際、
遊具の危険性がある→遊具を全てなくそう
とすれば、リスクもゼロになりますが、それでは目的が果たせないことになりますね。

リスクとベネフィットのバランスであることがわかります。子どもの遊びのベネフィットを向上させるために、安全規格EN1176を活用しよう、といった考え方です。

 

【EN1176とは】
遊具と遊び場に関する、ヨーロッパの規格で、子どもが遊ぶことを中心に置いて策定されています。子どもの年齢で判断せず、個人の能力をもとに検討されている特徴もあります。

(日本の遊具にある〇歳~〇歳、は?)

 

【子どもの遊ぶ権利】
子どもの人権を国際的に保障することを目的とした「子どもの権利条約」では、子どもの生存、発達、保護、参加、遊びの権利が尊重されるべきと定められています。これらの意見表明権などを含む、子どもの権利の尊重は「こども基本法」の理念でも定められました。

 

【評価で終わらない】
いい、悪い、という指摘に留まらず、どう改善したらよいのかを具体的に示して実践の場を作ることが大事だということです。こうした動きは、行政主体の公園では、責任の所在など、困難が多いのが現状だと感じています。

記憶に新しいところで、コロナ禍に公園の遊具が、ひもでぐるぐる巻きにされた、あの光景がよみがえります。本当に悲しく、誰が子どもの育ちの場を、真剣に共に考えてくれるのでしょうか。

Park PFIなど、官民連携で公園のリニューアルを進める動きも積極的になっていますが、その際に、こうした第三者の専門家、有識者と共に、真に子どもが育つ場を、共に創り上げていくことが必要だと再確認しました。その専門家は環境土木に留まらず、保育や教育など、子どもの発達の専門家ともタッグを組み「真のインクルーシブ」な公園であるように、評価をしながら、実践すべきだと思いました。それは終わりがなく、改善を続けることも大切とのことです。

 

講師から、具体的に表現できている公園、保育園について教えていただいたので、視察に行ってみようと思っています。貴重な機会と丁寧なご指導を、ありがとうございました!

そして共に学び、各地の公園の進捗や課題を共有できる、議連の地方議員にも感謝しています。

 

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