いつもありがとうございます 中央区議会議員の高橋まきこ です。
一般財団法人日本財団母乳バンク をWOMAN SHIFT(政策実現を目指す超党派の女性地方議員ネットワーク)にて視察訪問させていただきました。視察に関わるみなさまに感謝しています。
日本橋小網町という、日本橋小学校等複合施設から徒歩すぐのエリアに、ピンクと白をベースとした、温かみのあるステキなオフィスがありました。
この母乳バンクのしくみは、授乳する女性のみならず、パートナーの男性を含め、全ての人が知っておくべきことです。その理由は最後にお伝えします。まずは「関係ない」と思わずに、ぜひお読みください。
【母乳バンクとは】
ご自身のお子様が必要としている以上に母乳が出る母が搾乳してバンクへ寄付をし、バンクにて殺菌等の処理をして、NICUへ届け、NICUにて必要な赤ちゃんに提供する流れです。母乳は冷凍で送るため、その配送も重要なポイントとなります。大切な点はまずは「ご自身の赤ちゃんファースト」で「セカンドベストのドナーミルク」だということです。
【母乳ドナー になる場合】
新規のドナー(母乳を提供する人)を必要としています。母乳過多で悩んでいる、何かに役立てないか?たくさん捨てたり、冷凍庫がいっぱいになることを繰り返していると、そうした気持ちになることもありますね。ドナーになる場合は、事前に問診・同意書への署名・実施方法の説明と質疑応答に加えて「採血」があります。そのため、委託した医療施設でドナー登録を実施しています。中央区では佃にある、小坂げんきクリニックがドナー登録施設となっています。
【母乳を必要としている赤ちゃん】
早産・超低出生体重(1,500g以下)や難病等により、母乳を必要とする赤ちゃんが全国で年間5,000人程度いるそうです。そうした赤ちゃんに人工乳(牛などの乳成分からつくる)を提供することは、腸への負担があり、腸炎などの疾病リスクが高まるそうです。そこで、生理活性物質という人工乳にはない成分を含む、母乳が必要とされています。
【世界の母乳バンク】
ヨーロッパを中心に、世界各地に母乳バンクの取り組みがあるそうです。病院のNICU内で過多の母から必要な子どもへ提供をする流れが多いと聞きました。
【どこのNICUでも母乳バンク提供を受けられるのか】
答えはNOです。このしくみを活用している施設はまだ限定的です。中央区内にはなく、近隣では昭和大学江東豊洲病院、文京区の東京大学医学部附属病院がその施設となっています。
<高橋まきこからのメッセージ>
なぜ全ての人がこのしくみを知る必要があるのか
それは「誰がいつ、早産を迎えるのか」は誰にもわからないからです。夫として、祖父母として、いつ母乳提供を受けるかの判断を急に迫られるかも知れないからです。妊婦が緊急に意識を失う状況があり、早産を迎え、パートナーである夫に、母乳バンク提供への同意を求める場面があったとお聞きしました。それぞれに考えがあると思いますが、信頼性や安全性に対して、ひとつの考え方や意思を備えておく必要があると感じました。
私自身は母乳過多で乳腺炎を繰り返し、3人で3年余の授乳期間は常に乳腺炎におびえる日々でした。一気に腕も上がらない程の痛みと全身の悪寒と震えがきて、目の前の子どもを抱っこすることすら難しくなります。急なことで、預けも確保できていないため、子どもも連れて、助けを求めて必死に区外の施設に母乳ケアの予約を取り、タクシーで出かけなくては、回復しませんでした。
眠る時間を惜しんで搾乳する時の気持ち
冷凍した母乳を捨てる時の気持ち
痛みと苦しみの中、泣く子どもを抱っこできない時の気持ち
どれも決して忘れることができません。
母乳バンクによって、少しでも母の気持ちが癒されることがあれば。私個人的にはそのようにも願っています。
視察に参加した女性議員同士でも話し合いましたが「乳房ケア」が産後ケアのひとつとして、しっかりと中央区として提供されるべきだと考えています。ケア事業の導入はもちろんですが、ケアを受けられる施設の情報提供すら実施していないと中央区の保健所から確認しており、愕然としています。
困った時に誰に相談すればいいのか
全てに通じるこの悩みは、伴走型相談支援で解決されるように願い、これからも要望を続けていきます。