本年10月より施行される「幼児教育・保育無償化」に際して、中央区では、7月24日の福祉保健委員会にて説明がありました。全体としては国の定めに従う内容ですが、各自治体で対応が大きく異なるのが「給食費」についてです。これは無償化の対象外となるので利用者負担となります。 内閣府によると、子ども一人当たりの給食費は主食(ご飯など)が月3,000円、副食(おかず)が月4,500円。東京都は既に主食費を負担していますので、問題は「副食費」の考え方です。
中央区の今回の提案では、区立園は区が徴収だが、「私立園は園で徴収」としています。ここで大きな問題が生じるのは「認可私立園」です。認可は、保育料を区が徴収しています。一方で1回400円の「延長料金」やその他必要な実費は、園が集金としてきました。この「副食費」も後者のように10月以降は園で徴収となると、その請求等の会計事務負担が増大することは、誰にでも想像がつくことです。
この副食費徴収は所得により免除があります。また、国が定めた「3人目以降の子ども」も免除となります。国の基準で7%、区の設定する基準でさらに5%の児童が免除対象となるそうです。これにより免除者に配慮した請求が必要になり、これも大変な苦労が想定されます。
また、副食費は4,500円限定ではなく「各園で実費請求」として、さらに上乗せして請求することも可能としています。これにより、認可私立園ごとに、請求金額が異なるということになります。入園希望園を選べないのに、費用負担も違うとなると、利用者不満が増大するケースもあるのではないかとも思ってしまいます。
だんだんと各自治体にて案が作成されてきているようですが、「副食費も全て自治体負担」というところから、事務作業負担分として事務経費を補助するなど、対応は大きく差があるようです。
私は、私立園長方の意見を聞く、問題を共有するなど、地域で共に考え話し合う場が必要だと思っています。これまでの園長会はそうではない、とお聞きしています。(傍聴許可が出ず、私は出席したことがない)
行政主体の会議は、一方的に行政が伝達する場から、相互に話し合う会議へと変わるべき、だと、日々感じています。困っている地域の声を集約し、意見を交わすことは必要不可欠です。園長会にも、地域ごとのワークショップやテーマディスカッションなど、集まることに更なるメリット(付加価値)が必要だと感じます。
今は、お話しを聞ける園長先生と個別に共有していますが、この輪を広げたいと思っていますので、同じ思いの事業者や園長先生をご存じの方は、ぜひご紹介ください!
この無償化の実施により、中央区の試算によると、令和2年度は区の負担が4億円相当増大するとなる見込みです。
「保育」の現場に求められていることは何か
「保育の質」のためにできることは何か
「待機児童」をどう解消するのか
今も、この政策に納得がいきませんが、できることを探して引き続き積極的に取り組みます。