超党派の地方議員が児童虐待ゼロを目的としてワークショップを続けている「親子子育て応援ラボ」の活動にて、新宿児童相談所を視察訪問させていただきました。ラボでは、親子を支える現場で活動されている方々を中心にお招きして、オンライン中心にセミナーを実施してきました。
中央区には児童相談所がありません。
これまで私が伺ってきた家庭のご相談では、警察等から新宿児童相談所に連絡が届き、家庭への介入に至り、その後、中央区での生活に際して、中央区子ども家庭支援センターを交えて相談を続けていく、ということが多いと感じています。
<中央区の児童虐待>
被虐待相談は令和2年度で448件、うち警察から児相への通報が95件だったとのことです。コロナの影響(家庭に家族が留まる)も受け、子どもへの虐待、DV被害等が増えているとのことです。
<児童虐待>
東京都の養護相談のうち、およそ半数が被虐待です。3歳児未満と3から5歳児がそれぞれ20%ずつを占めており、乳幼児への対応が重要です。虐待をしている人は、母親が50%、父親が40%です。近年は「心理的虐待」が特に増えている傾向にあるとのことです。
児童福祉法の改正後、児童虐待相談を含む児童家庭相談の一義的な窓口は区が担うこととなりましたが、困難事例は児童相談所が専門性をもって対応する、という東京ルールがあります。
<中央区の児童相談機能について>令和3年3月現在
・中央区は児童相談所未設置
・新宿児童相談所と連携
・台東区とサテライトオフィス設置(台東区日本堤)2021年10月
・現時点で児相の開設場所が見つかっていない
・人材育成についても非常に時間がかかる
・区児相の設置については進んでいない状況
<サテライトオフィス/台東区との共同モデル事業>
・中央区の職員が常駐せず、必要に応じて、台東区オフィスに出張する
・一緒にケース対応、研修参加などを考えている
・予算は、基本的に改修費は台東区で負担(テレビ会議システムなどの一部、東京都負担)
・中央区は特に予算計上なし(旅費、消耗品費は想定される)
令和3年3月15日の区議会(決算特別委員会)で、このサテライトについて質問をして詳細の確認をしました。
<虐待を防ぎたい>
「子どもの心に残った傷は消えることはない」と職員のみなさまがおっしゃっていたことが印象的でした。児童相談所は「子どもの権利」に最大限配慮し、温かく子どもに寄り添っていると感じました。中央区でも、相談の際に温かく迎え、児相から戻ってきた際に、同じように子どもの権利を尊重した居場所や支援のあり方を、再度見直し、各機関と連携していく必要があると実感しています。私はこれまでのベビーシッターやオンライン相談、勝どきの一時預かり保育の整理券といった実現に加えて、
・一時預かり保育のインターネット予約 →すぐにSOSが出せる場所を
・ベビーシッターの未就学児全体への対象拡大 →アウトリーチの対象拡大
・ファミサポのマッチング向上(提供会員確保拡大)
などを早期に実現し、より身近にヘルプが出せるようなセーフティネットの拡充要望を続けていきます。